残業代が支払われないケースが頻発している背景
日本では、看護師の残業代が支払われない事例が頻発しています。看護師の残業代の未払いが多い背景には、病院側が残業代を支払う金銭的余裕がないことが原因としてあるようです。病院側はできるだけ残業代を支払いたくないために、残業代未払いを黙認して看護師にサービス残業を強いているのです。
実際、看護師が残業代を請求しづらい環境になっているケースは少なくありません。現状として、勤務時間が長いこと、業務量が多いことを奨励する在り方は古い価値観になっています。近年では、仕事が早く終わらせられる人ほど効率よく仕事をしている=できる人のようなレッテルが貼られる傾向にあります。
そのため、仕事が終わらず残業している人に対し、「仕事ができない効率が悪い人」という見方をされることが往々にしてあります。それにより、残業している本人が「私の仕事の効率が悪いからサービス残業でも仕方ない」と残業代の請求を諦めてしまうケースが見受けられます。とはいえ、どんなに仕事が遅くても働いていることには変わりないため、それは健全な働き方とはいえません。
また、看護師は社会的責任が重い職業です。特殊な環境に身を置いていることで、人のために残業代なしでも働くべきという強迫観念にとらわれている方も多いです。患者との対話で残業になってしまった場合や、手術の雑務で残業になった場合など、ちょっとしたことで残業代を請求できないようなことがよくあります。
上記はあるあるではありますが、正しい在り方ではありません。法定労働時間を超えた分はきちんと賃金を支払ってもらうように請求しましょう。